異次元の価値観
前にも述べたように、勉強する気など全くない生徒が大半を占める高校であったため、頭がいいとか勉強ができる、などというのはほとんど価値を持たない。見た目がすべてだった。 男子生徒ならばタフかハンサム、女子 [...]
前にも述べたように、勉強する気など全くない生徒が大半を占める高校であったため、頭がいいとか勉強ができる、などというのはほとんど価値を持たない。見た目がすべてだった。 男子生徒ならばタフかハンサム、女子 [...]
外交的なアメリカ社会では、校内での人気度がその人物の重要な評価パラメータになる。 従って目立つことが非常に重要で、タフさを強調するか、キザに徹するか、大きな声を出すか、不可思議な言動をするか、先生を馬 [...]
僕のホストブラザーは、こういったパーティーには無縁だった。学校でも「変人」の部類に属する彼は、少数のテッキーたちとしか付き合わず、いわゆる「ハイテク・オタク」だった。 曇った牛乳ビンの [...]
アメリカ社会では、授業でも、会議でも、黙っていることは無能の証拠とみなされる。パーティーでも声をかけるのが当たり前、黙って立っているだけでは、一晩中何も起こらない。 パーティーでの会話ほど単純なものは [...]
毎晩、誰かの家でパーティーが行われていた。 留学生には運転が許されていないので、僕は車で迎えに来てくれる悪友に誘われるまま、多くのパーティーに参加した。高校生たちが大勢集まってビールを飲 [...]
当初はビクビク・ドキドキの連続だった僕も、日本人の得意科目である数学のおかげで不良生徒にも一目置かれるようになり、市民権を得たような気分になった。 数学は圧倒的に日本が進んでいた。アメリカの高校では [...]
中学と一緒になっていた学校だったことが幸運だった。僕は13歳近辺の女の子に妙に人気があった。 日本から来たとかいう、謎めいた雰囲気で年齢不詳の痩せた男の子は、体型的にも彼女達と釣り合いがと [...]
毎週末のホームパーティーに集まる裕福で品行方正なご夫婦たちと対照的だったのが、僕が通った地元の高校だった。 高校まで義務教育のアメリカでは、大半の生徒は勉強する気など全くない。中学 [...]
新学期初日の登校ほど緊張するものはない。 スクールバスの中で物珍しそうに僕を眺める無数の視線に耐え、女の子の派手な化粧や刺激的な服装に圧倒されながら、僕はホストブラザーに先導されて American [...]
留学生が7月下旬に渡米するのは、夏休みの8月いっぱいを使って、初対面のホストファミリーと十分な絆を作り上げることができるようにするためだ。 9月に新学期が始まれば、地元の高校で凄まじ [...]