外交的なアメリカ社会では、校内での人気度がその人物の重要な評価パラメータになる。

従って目立つことが非常に重要で、タフさを強調するか、キザに徹するか、大きな声を出すか、不可思議な言動をするか、先生を馬鹿にするか、など、さまざまな戦略が渦巻いている。

通常、人気の頂点に位置するのはアメリカの国民的スポーツであるフットボールの選手で、ホームカミングと呼ばれる地元の試合では、コミュニティも含めた町全体の英雄となる。

そこに磁石のように引き寄せられるのがチアリーダーを筆頭とする美貌の女子生徒たちで、お目当ての選手を巡って激しい争奪戦が繰り広げられる。

淘汰の末に得られた結果には目を見張るものがあり、ピチピチ・テカテカのチアリーダーとムキムキ・マッチョのフットボール選手が見せびらかすように腕を組んで歩いていたりすると、目のやり場に困るぐらいの目立ち方で、見栄と虚構で塗り固められたような「うさん臭さ」がぷんぷんと漂う。

田舎の学校だから無理もないが、こういったあたりにも絵に描いたようなステレオタイプが蔓延していた。