中学と一緒になっていた学校だったことが幸運だった。僕は13歳近辺の女の子に妙に人気があった。

日本から来たとかいう、謎めいた雰囲気で年齢不詳の痩せた男の子は、体型的にも彼女達と釣り合いがとれた。

ホストファミリーとスケートに行ったとき、セクシーな女の子2人が親しげに話しかけてきた。笑うと歯の矯正用金具(*)がむき出しになり、好奇心いっぱいの無邪気な姿とセクシーな風貌がひどくアンバランスだった。セクシーと言っても、こちらは何となく清純な感じだ。

そんなスケート少女たちと一緒に滑っているうちに、彼女たちが近くの学校に通う小学生だということが判明した。やがて、彼女たちが僕に話しかけてきた理由がわかった。彼女たちは僕を同じ小学生だと勘違いしていたようで、僕の実年齢を聞いたときは絶句していた。

相手がたとえ小学生であっても、好意を寄せてくれる女の子が結構いるということは、僕に大きな自信を与えてくれた。

13歳〜16歳ぐらいの女の子は結構可愛く率直で、語彙が少なくスラングにもまだ慣れていない僕の格好の話し相手になってくれた。そんな愛くるしい彼女たちが、1 7〜18歳ぐらいで豹変し魔女と化するのだから、女性は本当に怖いものだ。

(*) braces と呼ばれ、ローティーンの子供たちのトレードマークと言えるほど普及している。八重歯は日本では可愛さの象徴とも解釈されるが、アメリカでは vampire teeth(吸血鬼の歯)とも呼ばれ、極端に嫌われる。