アメリカ社会では、授業でも、会議でも、黙っていることは無能の証拠とみなされる。パーティーでも声をかけるのが当たり前、黙って立っているだけでは、一晩中何も起こらない。

パーティーでの会話ほど単純なものはない。だいたい3つぐらいフレーズを知っていれば事足りる:

(1) Hey man, what’s up, man….
(2) Not much, man… / Do you like this stuff, man…?
(3) That’s cool, man…

と、だいたいこれぐらいで一晩中楽しめるというのだから、便利なものだ。

もちろん、会話以外を楽しむグループも多い。ぐるっと輪になって座り、真ん中に置いたポップコーンを皆でつまみながら、ただひたすらニヤニヤ笑っている・・・なんて光景はそこら中で目にする。水パイプや手巻きタバコのようなものを回しのみしているのが彼らの特徴だ。

僕は慣れてくると、できるだけ単独で行動するように心がけた。その方が新しい友人もでき、その場に溶け込むのも早いからだ。会場に連れてきてくれた友人たちも、行く先々で僕を紹介し会話の仲間に入れようと気を遣うのは面倒に違いない。せっかくの機会なのだから、彼らも自由にナンパを楽しみたいはずだ。

僕の常套手段は、会場に着くとまずビールがある場所に直行し、ビール片手に会場をウロウロしながら目が合った相手に片っ端から声をかける。

次に、上記の(1)のフレーズを大声で叫べば、あとはその場次第。騒々しい会場でも “Hey!” は声がよく通るので、好都合だ。

酔いが回った連中は、実に愉快にしゃべり続けてくれるので、多少聞き取れない部分があっても心配する必要はない。こちらも負けずに覚えたての表現と単語を総動員してまくし立てる。

パーティーに参加すればするほど、自分の英語力がめきめきと上達していくのを実感することができた。