アメリカン・ブレックファースト
幻想的な夢の世界へと続いていたフリーウェイは、夜が明けると現実に戻る。 日夜ぶっ続けの運転で疲れたので、ひと休みしながら食事を採ろうと、僕たちは次の出口サインで側道へとハンドルを切った。久々に窓を開け [...]
幻想的な夢の世界へと続いていたフリーウェイは、夜が明けると現実に戻る。 日夜ぶっ続けの運転で疲れたので、ひと休みしながら食事を採ろうと、僕たちは次の出口サインで側道へとハンドルを切った。久々に窓を開け [...]
3月中旬から約3日間、冬学期の期末試験が行われる。それが終わると、12日間の春休みだ。 スキー教室を終了したご褒美にK2スキーを買ったばかりの僕は、その性能を試したくてウズウズしていた。そこでクルマを [...]
シングル・ルームに移ったおかげで勉強に集中でき、成績もAが多くなってきた。日本の大学に戻ってから、留年を避けるために Transfer credit(単位の移転)する必要があるが、この成績なら問題はな [...]
このスキー・レッスンに通いながら、毎回、僕の心を奪う光景が見られた。 レッスンが行われる緩やかな斜面の隣には、斜度が40度以上はあると思われるコブコブの急斜面があった。丘を切り開いて作っ [...]
このスキーのレッスンにおいて特長的だったのは、短いスキーから始めて段階的に長くするという独自のアイデアに加え、「細かいことは言わないから、とにかくやってみろ」というアメリカ独特のポリシーだった [...]
冬休みをメキシコ登山ツアーで過ごした僕は、Harmon Hall というシングル・ルームの寮に入った。トイレ・シャワーは共同であるものの、入口のドアを閉めれば誰にも邪魔されない自分だけの空間がある。こ [...]
翌朝、ひとりがチェックアウトの手続きをしている間に、僕たちは音を立てないようにひとりずつ部屋から抜け出した。不運なことに、僕は最後の退出者だった。フロントデスクの横を何食わぬ顔でゆっくりと通 [...]
登頂までの不安と緊張に比較して、下山はあっけない。山頂付近では滑落しないように細心の注意を払いながら降りて行ったが、雪が無くなるあたりから次第にペースは速くなり、足元が岩と火山灰で埋ま [...]
足元に集中し過ぎて呼吸が荒くなった時には、焦らずにペースを落とす。途中で休憩を入れるのではなく、できるだけ一定のペースで淡々と歩き続ける方が、疲れを軽減してくれる。 あたりを見回すと、快晴の空に白い雲 [...]
登頂の日、朝4時。第一グループが出発した。数日前からの晴天は、この日もまだ続いていた。 登頂の成否は自然に大きく左右される。リスクを分散するために2つのグループに分け、時間をずらして別ルー [...]