山頂アタック
足元に集中し過ぎて呼吸が荒くなった時には、焦らずにペースを落とす。途中で休憩を入れるのではなく、できるだけ一定のペースで淡々と歩き続ける方が、疲れを軽減してくれる。 あたりを見回すと、快晴の空に白い雲 [...]
足元に集中し過ぎて呼吸が荒くなった時には、焦らずにペースを落とす。途中で休憩を入れるのではなく、できるだけ一定のペースで淡々と歩き続ける方が、疲れを軽減してくれる。 あたりを見回すと、快晴の空に白い雲 [...]
登頂の日、朝4時。第一グループが出発した。数日前からの晴天は、この日もまだ続いていた。 登頂の成否は自然に大きく左右される。リスクを分散するために2つのグループに分け、時間をずらして別ルー [...]
ハイキングの最終日、僕たちはベースキャンプを Mt. Popocatapetel の赤茶けた斜面の中腹に移した。そして近辺の地形調査をしながら、翌日の登頂の訓練を行うことにした。 4000 メートルを [...]
最初は、トイレも、シャワーも、マットレスも、まともな食事も無い毎日が途方も無く心細く思えたが、不思議なことに、3日目ぐらいからは慣れるものだ。お洒落や美食は都会にいるから必要なのであって、生きていく分 [...]
翌朝、全員がひどい頭痛と吐き気に襲われた。高山病とまではいかないが、眠っている間はまだ高度に慣れていない身体が通常のペースで呼吸するため、酸素不足となってしまうからだ。 リーダーのダグがしきりに「動け [...]
高度一万フィート、つまり約3000 メートルのところまでは道路がある。僕たちはワンボックスカーに乗り込み、うねうねと曲がった山道を走りつづけた。 やがて終点にたどり着くと、まずテントを下ろし、各自のバ [...]
悪臭に耐えながらの60時間の連続運転の末、僕たちは国境を越えた。 メキシコ領土に入ると周りの風景は大きく変わる。今にも崩れそうな民家が続き、車がその間を走り抜けると、未舗装の道路からは土埃がもうもうと [...]
実際、ダグとそのアシスタントは、登山に関してはかなりの経験があるようだった。 まず、雨に濡れると体温を奪うコットンは決して持参するな、すべてウール素材で固めろという指示が下された。僕は近くの古着屋に行 [...]
秋学期(Fall Quarter)の期末試験が終わると、感謝祭を皮切りに1ヶ月半の長い冬休みに入る。雪景色に閉ざされた、ミシガンの長い冬の始まりだ。学生たちは実家に帰って、家族と共に感謝祭とクリスマス [...]
砂の女(映画) たまたま大学のホールで上映された、安部公房の原作・脚本による邦画。 僕にもチンプンカンプンの映画だったが、少し前に読んだ安部公房の「壁」という短編集を思い出し、僕はこの映画 [...]