右前方に衝撃
突然、視界が真っ暗になった。いや、「真っ黒」と言った方がいい。僕は睡魔に耐え切れず、無意識にまぶたを閉じていたのだ。 車の右前方に衝撃を感じて目を覚ました僕は、反射的にハンドルを左に切った。対抗車線に [...]
突然、視界が真っ暗になった。いや、「真っ黒」と言った方がいい。僕は睡魔に耐え切れず、無意識にまぶたを閉じていたのだ。 車の右前方に衝撃を感じて目を覚ました僕は、反射的にハンドルを左に切った。対抗車線に [...]
シアトル到着が予定よりも遅れ気味だったので、僕たちはロッキー山脈の曲がりくねった坂道を、夜を徹して運転した。 例によって、ひとりがガソリンが無くなるまで運転を続け、ガソリンスタンドで給油するタイミング [...]
僕の愛車フィアットは、時々オーバーヒートはしたがなんとか健在だった。 座席は一応4つあるが、スポーツカーなので後部座席は飾りみたいなものだ。ヨーロッパ車なので車体も小さい。トランクに荷物を詰め込み過ぎ [...]
春学期はあっという間に過ぎた。6月上旬には期末試験が終わり、いよいよ長い夏休みだ。僕は9月までに日本の大学に戻れば良かった。 時間はたっぷりある。いろいろなことにチャレンジし続けた1年の総仕上げとして [...]
アルバイトに精を出しながら、僕はキャンパスの掲示板や新聞の広告を毎日のようにチェックした。 そうやって2ヵ月ぐらい過ぎたある日、175ドルの車を新聞の「FOR SALE」広告欄で見つけた。驚くなかれ、 [...]
カラマズー大学はクオーター制をとっていて、1年を4つに分割している。 夏はサマースクールやボランタリー活動などに当てられるので、ほとんどの学生にとっては夏休みとなる。 新学期となる秋学期(Fall Q [...]
Steamboat で春スキーを満喫した僕たちは、再びデンバーに寄ってベスを拾った。明後日からは春学期が始まる。往路と同じようにぶっ続けの交代運転で、僕たちは帰路を急いだ。 春学期が始まって2週間する [...]
リフトから無事飛び降りて斜面を登り切った僕は、安堵に満ち溢れた気持ちでスキーを穿いた。あとは山の反対側のふもとに向けて、滑り下りるだけだ。日が暮れて大分経つが、雪明かりで視界も良好だ。僕は大きなターン [...]
ヤバイ! 直感的にそう感じた。 安全のためにリフトが止まることはよくある。でもこれは何かが違う。改めて前方をよく見ると、先の方まで誰一人乗っていない。後ろを振り返っても同じだ。慌てて飛び乗ったので気に [...]
翌朝は快晴だった。ロッジ周りの雪は朝日を受けて溶け始め、エントランス前に大きな水たまりを作っていた。スキー場までは歩いて行ける。僕たちははやる心を抑えながらリフト券売り場でワンデイ・パスのチケットを買 [...]