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Timeline2018-10-25T14:02:11+09:00

June 2018

ブロンド・ティーザー

仮装パーティーの晩でなくとも、そういった仕草に本能的に長けた女の子もいる。ブロンドで派手な顔立ちをしたシェリーもそんなひとりだった。 ブロンドと言ってもさまざまで、貴金属のような重い輝きを放つブロンドや、太陽に光り輝くような明るい色のものまである。シェリーのブロンドは、両者の高貴な美しさを併せ持ったような明るい色の滑らかな髪で、大学の女子学生の中でもひときわ目立っ [...]

ハロウィーン

その数週間後に開かれたハロウィーン・パーティーでは、学生の奇抜で派手な衣装に僕は度肝を抜かれた。 今でこそ日本でもハロウィーンが一般化し、東京の渋谷などでは大量に繰り出した若者たちのマナーの悪さや、危険なレベルにまで達した人混みなどが問題になっているが、当時の日本では、公の場を仮装して歩くなど、外国人以外は考えられなかった。 ところが本場は流石に違う。大学のメインホールを明け渡したパーティー会場で [...]

モンテカルロ・ナイト

日本の大学でのオタク環境を思い出した僕は、この大学での9ヶ月が神の恵みのように思われた。1年したら、またあの環境に戻らなければならない、ここはひとつ何でもチャレンジしようと、心に決めた。 手始めに、バレーボールのチームに入った。背丈では遠く及ばないがジャンプ力には自信があったからだ。ところが練習の最中にネットの鉄柱で足先を強打し、なぜか小指の骨にヒビが入ってしまった。それから6週間ほど、僕は不自由 [...]

女子寮・男子寮

マサチューセッツ大学と比較して、田舎町のこの小さなカレッジは、やはり保守的だった。お坊ちゃんお嬢ちゃんにもしものことがあってはいけないという配慮によるものなのか、僕が夢にまで見た「男女共学寮」はなかった。どの寮も、中央を境にして、男子ウィングと女子ウィングに明確に分離されている。 女難の相がある僕は、神のお導きによってか、Trowbridge Hall と呼ばれる寮の男子ウィン [...]

September 2018

Woman In The Dunes

砂の女(映画) たまたま大学のホールで上映された、安部公房の原作・脚本による邦画。 僕にもチンプンカンプンの映画だったが、少し前に読んだ安部公房の「壁」という短編集を思い出し、僕はこの映画のテーマを「壁」にこじつけた。(僕はこじつけが得意なのだ) 映画の解説文を書いているようなつもりになり、「ほら、必死で脱出を試みた主人公の壁の向こうには何も無かったよ・・・」てな具合に。 欧 [...]

Solitude In The Crowd

群集の中の孤独 東京に住む人間にとっては日常ごとで、毎朝の満員電車で嫌と言うほど体験しているが、田舎町のアメリカ人にとっては新鮮らしい。 満員電車の話をしても理解してもらえないだろうから、僕はこれをカフェテリアの朝食風景を記述することにより表現した。 つまり同じテーブルを囲む友人たちの会話や食器の音などを、傍観者として夢でも見ているように書き綴ったのだ。 冗長な部分もあったが、接 [...]

The Indifferent World

無関心な世界 自分がどうなろうと自 然(世界)は無頓着だよ、という主題。自分のことなど誰も気に留めないし構っちゃくれない、と拡大解釈することもできる。 僕はこれを、唐の漢詩の有名なフレーズ、「国敗れて山河あり」から書き始めることにした。 Nation defeated, still exist mountains and rivers - so says a famous Chines [...]

英作文(Expository Prose)の授業

自分にとって2回目の留学なので、英語を極めてやろうと、国語(つまり英語)の授業も選択した。 Expository Prose という名前のこの授業は、正確な表現で小説や散文的な文章を書くトレーニングのような科目で、毎日、作文の課題が与えられ た。大変な苦労をするだろうと覚悟して選択したこのクラスで、意外にも僕は常にダントツの成績だった。 ある日、Expository Prose [...]

June 2018

個人指導と電磁気学クラス

このアメリカの大学には、学習意欲を向上させる強烈な要因があった。男女共学ということだ。 女の子がいるとこんなにも違うものなのか、僕は得意な理数系のクラスでは、積極的に発言した。また、Tutor と呼ばれるアルバイトも引き受け、授業についていけない大学1年生に時間外で個人指導し宿題の手伝いをした。 物理の Tutor ではフレッシュマンの女の子を相手にするケースが圧倒的に多く、最初は僕のことを馬鹿に [...]

分厚い教科書

アメリカの教育思想は、具体的な例と図と練習問題がびっしりと詰まった分厚い教科書に端的に表れている。高校留学の時にその分厚さ(5センチはある)に驚嘆した僕は、大学でも同じ方針が貫かれているのに感動した。 専門書ではなく、教えるために書かれた教科書なのだ。日本の大学のように、難解な抽象論を綴った薄っぺらな割に高価な本を、教授が学生に買わせるなどということは決してなかった。知識やスキルを伝授するという明 [...]

アメリカの学生生活

学費は親から借り、就職後に少しずつ返済するという学生は多い。全寮制の大学なので、生活費は学費と一緒に全額前払いする。ただし、本や文具品、交際費などは自分で何とかしないといけないので、キャンパスにはアルバイトの機会が溢れている。決して待遇は良くないが、勉強と両立できるのが魅力だ。従って学生はよく勉強し、無駄なことには一切お金を使わない。悪く言えば貧乏で ケチ、よく言えば金銭感覚が成熟している。 美人 [...]

マサチューセッツ大学

高校時代のホストファミリー宅に数日滞在したあと、僕は東海岸までバスで行く予定にしていた。実は高校留学から帰ったあと、僕にはアメリカ人の彼女がいた。 同じ留学制度により日本で1年を過ごした彼女は既に本国に戻り、マサチューセッツ大学に通っていた。彼女の寮に数日間泊めてもらう予定だった。 オハイオからマサチューセッツまでの長いバス旅に疲れきった僕を、彼女は派手な印象のルームメイトと一緒に車で迎えに来てく [...]

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