半壊した右ヘッドライトは、シアトルに到着した時の友人宅でボンドとガムテープを使って修理した。こんな車でも公道を走れるのだから、アメリカは本当にアバウトな国だ。

ただし、この事故でオルタネーターが損傷していたことを、僕は後で知った。オルタネーターとは発電機のことで、エンジンの回転を利用して発電し、走行中にバッテリーを充電し続ける役割を担う。

これがなければ車の電気系統はすべてバッテリーの容量に依存することとなり、バッテリーはあっという間に放電し切ってしまう。スパークプラグで火花を散らすのにも電気が必要なので、エンジンの回転にも電気はなくてはならない。

オルタネーターが故障すると、バッテリーの充電ができない。従ってバッテリーはどんどん電圧が低下し、最後には「あがって」しまう。いくら新品のバッテリーに交換しても、充電されないので寿命はあっという間だ。

意外と軽視されがちだが、エンジンと二人三脚でクルマの動力部分を支える。車の生命線とも言うべき重要な部品なのだ。