事故でオルタネーターが壊れたことに気づかず、僕はそのまま友人たちが待つシアトルまで運転を続けた。半壊した右ヘッドライトはガムテープを使って友人宅で修理し、そこでカトリーヌと分かれた。

次の目的地はサンフランシスコ。ここからは独り旅だ。

もともとエアコンなどついていない車だったし、昼間の運転だったため、シアトルからサンフランシスコに着くまではバッテリーは何とか持ちこたえ、僕は異常に気がつかなかった。ところがサンフランシスコのガソリンスタンドで給油後、出発しようとエンジンを掛けようとしたところ、ついにセルモーターが回らなくなった。

ガソリンスタンドのメカニックに診てもらったところ、オルタネーターが故障しており、結果的にバッテリーがあがってしまったとのことだった。修理には250ドル前後、部品の取り寄せには1週間ほどかかるという。

冗談じゃない、そんな高額な修理代を払うぐらいなら車を買い換えた方がましだ!

僕はとりあえず友人たちと落ち合うことにしていた学生旅行者用の格安アパートまで行こうと、その場を去ることにした。カトリーヌとはシアトルで別れたので今は自分ひとり。ある意味、気が楽だった。

さあ、どうするか・・・ ガソリンスタンドの店員に車を押してもらい、「押し掛け」でエンジン始動すればいい。

キーをオンにしてクラッチを切り、車を押してもらいながらスピードがのってきたところで3速ぐらいに入れたギヤをつなぎ、エンジンがかかった瞬間に再びクラッチを切れば、セルモーターのお世話にならなくて済む。

タイミングよくやれば、これで大体エンジンをかけることができる。当面は、これで何とか凌げるはずだ。