こうしてアメリカでの最後の目的地、グランド・キャニオンに到着した。
幼年期の地形を代表するこの観光スポットは、その雄大さにおいて他を圧倒する。
遠目では見渡す限りのフラットな大地は、膨大な年月にわたる侵食によって深くえぐられ、赤茶けた縞模様の岩肌を見せながら深い谷底へと落ち込んでいく。
約7000万年前、地殻変動によって隆起したこの広大な土地が、コロラド川の浸食によって最深1800メートルもの深さまで削り取られた結果だという。その断面には、地球誕生から40億年にわたる先カンブリア時代からの地層の重なりが露出しているそうだ。
僕たちの短い人生とは全く次元が異なる時間と空間のスケールに、ただただ圧倒されるばかりだった。
あまりに有名なので、その魅力をあえてここに記す必要はないだろう。
目標を達成した僕は、少し休みたくなった。
帰路はグレイハウンドのバスでサンフランシスコまで一気に戻り、そこに1週間滞在して、アメリカ冒険旅行を終えることとした。
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