ロッキー越えのラフ・フライトで顔面蒼白となった僕を見かねたホストファミリーは、予定を変更して最寄りの空港に着陸してくれた。とりあえず一泊して様子を見ようということになり、空港近くの Motel に一泊することになった。

Motel とは、Motor (自動車)と hotel(ホテル)を組み合わせた造語で、自動車旅行者用の比較的安価なホテルを指す。日本でのいわゆる「モーテル」とは全く異なる現実的な施設で、アメリカの郊外では2階建ての Motel をそこら中に見かける。多くのホテル・チェーンが全米に展開しており、Holiday Inn などが有名だ。

ハイウェイ沿いの目立つ看板やネオンサインが特徴で、空室は Vacancy というネオンサインで確認できる。広い敷地のおかげで建物は平屋か2階建てで、部屋の前に車を駐車するレイアウトが多い。

部屋の中には中央にド~ンとベッドがあり、空いたスペースに小さなテーブルと椅子、またはソファーが置いてあるのが普通だ。ツインルームは ダブルベッド×2 が普通で、ダブルルームだと通常クイーンサイズかキングサイズのベッドとなり、2人並んでも十分な幅がある。キングサイズのベッドは縦よりも横の方が広いくらいで、日本のシングルベッドを見慣れているとそのデカさに度肝を抜かれる。

簡易キッチン、つまりキッチネット(kitchenette)がついていることもある。たいていは鍋や皿も備わっているので、自炊することもできる。 レストランは通常カップルや家族向けなので、ひとりの時はファーストフードに頼るか自炊がオススメだ。スーパーは24時間空いているので、巨大な肉の塊を買ってきてフライパンで焼けば、思う存分ステーキを満喫できる。

ただしひとつ要注意。アメリカに来るとサイズの感覚が狂う。道路が広い、車が大きい、部屋が広い、人も大きい・・・ 当然、レストランで出てくる肉の塊もハンパなサイズではないのだが、皿も大きくなっているのでその巨大さに気がつかない。

周りが何でも大きいと、つい自分も大きくなったような錯覚に陥るのだが、そればかりは変わらない。 そのため、小柄な日本人がしばらくアメリカで暮らすとあっという間に太ってしまうようだ。アメリカにいるうちは気にならないが、日本に戻ってきたとたんに周りとの差に愕然とするはずなので、くれぐれもご用心を。